2015年3月2日 日刊日本金属通信で紹介-太陽光パネル架台の新システム開発-
鋼製コンテナ一体型、2月販売本格化
富安(東京都墨田区、強口照雄社長)は、側面が網目状の鋼製コンテナを土台に用いた太陽光発電パネル架台システム「ドリカム架台基礎一体型」を共同開発し、2月から販売を本格化させた。グループ会社の北日本サッシ工業(北海道北見市)がこれまで生産・販売してきた太陽光パネル架台に、特製の鋼製コンテナを組み合わせた。特製コンテナを一体化したシステム・工法は画期的で、現在同社は工法や意匠の特許を出願している。
仕様のコンテナは、北日本サッシ工業の主力商品となっている、農作物などをいれる農業用コンテナを架台用に強化した特製コンテナ。サイズや部品は農業用と同じだが、強度や取付け方を工夫した。架台に取り付けるコンテナ内に砂利・がれき・スラグ・発生土などを入れることで重りとなる。架台設置時に地面に杭などを打ち込む必要がなくなるため、地盤が固いところや、設置作業に時間をかけられないところなど、これまで設置が難しかった場所で太陽光パネル架台の設置ができるようになる。
同システムは2014年春に開発、秋から実証実験を行い、北日本サッシ工業の敷地でドリカム基礎を使用した低圧用太陽光発電所を設置、発電稼働中。特許申請の絡みもあり、「太陽光発電システム施工展」(開催期間25―27日)で初めて大々的に披露した。これまでに従来工法の太陽光発電システムでは設置ができなかった採石場や傾斜地での引合・問合せが多数寄せられ市場の興味と関心を感じているという。
架台について強口社長は「北日本サッシ工業の架台は雪国対応で、暴風雪に強い。短納期などが評価され、これまで80メガ㍗規模の採用実績がある」と胸を張る。その架台に農業用コンテナを組み合わせたシステムの開発に至ったのは「架台の設置が難しいところが多い」ことに加え、「農業用向け以外の商品を生産することで、地域の雇用を守り、農業と太陽光をつなぐシンプルだが北の大地だからこそ生み出すことが出来た技術イノベーションを通じてものつくりの”夢“を提供したいとの思いが強いため。
また、「設置作業が難しい東北の被災地に太陽光パネルを置くことができれば、復興のお手伝いにもつながる」。そして「何よりも鉄の需要喚起にもなる」とし、富安と北日本サッシ工業はともに、「ドリカム架台基礎一体型」の普及に全力投球する考え。